池田邦太郎さんWS 1日目。

1日目。

講師は、元小学校の先生、池田邦太郎さん。

時間通りにはじめましょう。早く来た人が損するといけないので」と池田さん。確かにその通りだが、にしてはやはり参加者が少ない。


まず池田さんから1分間ほどトークがあり、それからストローで遊び始める。


曲がるストローの先っぽをつぶして、はさみでとんがらせると、あっというま、ストローの笛が出来上がる。「ブー」という、鼻の詰まったような音が出る。リード、つまり音を出す振動板が2枚だから、オーボエファゴットと同じ部類に入るだろうか。


高級な木管とは違い、皆さんすぐに音は出せた。ストローの笛を聴いても、何も感じなかった人はタダの音、嫌だと感じた人には騒音だが、それを「おもしろい!」と思った人は、ストローの笛の音が「音楽」なのだ。


昔は麦のストローで、先っぽをパキっと割ると、すぐに麦笛が出来上がるらしい。池田さんは、農家の人と共同で、「麦わらのストローで、麦笛を復活させよう!」とかいうプロジェクト?をやっているらしい。


さて、ストローの笛。ストローの長さでずいぶん音の高さが変わる。
まず息を吹き込んだまま、ストローの端を次々切り落とす。ブー、プー、ビー、ピー、と、切り落とすたびに音が次々高くなる。これはおもしろい。


次は笛の長さを増やす。ストローをつなげればいい。
ストローの接続部分に1〜2センチほどの切込みを入れれば、ストローがつなげられる。
つなげていくにつれ、どんどん音が低くなっていく。さっき高くしていったときよりも笑えた。「ばばばばばばばば」と、重機かなんかの音にも聞こえる。




次は、新聞紙の鉄砲(仮)で遊ぶ。三角形で、強く振ると「バン!」と鋭い音がするアレである。池田さんが、わざわざ新聞紙をベストな大きさに切ってくれていた。ありがたやありがたや。


みんなで思い出しながら、たくさん作ってバンバン鳴らす。右肩が痛かったのはそのせいのようだ。同時にみんなで新聞紙のカブトを作った。
10枚くらい新聞紙を重ねて、がんばって鳴らそうとする人も。池田さんも真っ青になっていた。




ストロー笛と新聞紙でガンガン遊び倒す。不思議なことにこれがハマる。
使っているうちに、なぜかインターネットでたまたま見つけた、ラッパの口の付いたハーモニカを思い出した。ひょっとして、ストロー笛にラッパのような口を付けたら、音が響くようになるかも、と思い、新聞紙を円錐に丸めて笛に付けてみた。


ブォォォォォー


ほら貝のような音が、平土間いっぱいに響き渡る。かなりすごい。池田さんが大絶賛してくれた。全然思いつかなかったそうだ。


池田さんは、これを絶対子供に教えないそうだ。吹いている本人はほとんど何も感じないため、40人くらいの小学生に一斉にラッパを向けられた日には、さすがに具合悪くなるようだ。


このあと、新聞紙のカブトをかぶって、鉄砲のアンサンブル。
おおきな輪になり、順番にバンバンバン、バンバンバン、バンバンバンバンバンバンバン!(ここだけ残りが一斉に)」と鳴らしていった。三三七拍子のリズムだ。ときどき不発があるのがまたおもしろい。これも、おもしろいと思った人は「音楽」だ。


というわけで、ストローと新聞紙で、あっというまに2時間を費やしてしまった。明日はいよいよスチール缶で楽器を作るそうだ。


音を聴いても、何も感じなかった人はタダの音、嫌だと感じた人には騒音だが、それを「おもしろい!」と思った人は、その人にとってその音が「音楽」なのです。

名台詞だね。